むらをのにっき

観たものの感想とか、思ったこととか

ライフライクダイス、イロイロバナシ

先日、弊団体の第1回公演「ライフライクダイス」が上演されました。
たくさんのお客様に来ていただき、楽しんでもらいました。

本当にありがとうございました。

 

今回はこの本が出来るまでの話をします。

 

4人で最初話した段階で「コメディ」「ゲームに閉じ込められる」「ライフライクダイス」は決まってました。
このルールの元で、最初は思いついた舞台がボードゲーム屋さんでした。
美術も予算かからないし、いいじゃん!となって、そこから店長とバイトの女の子、店に集まってきた客でワイワイやろうという方向が固まりました。

最初は「止まったマスが現実に起こるスゴロク」というルールもありましたが、これがめちゃくちゃ難しい!
まず、舞台映えして実現可能なマス目がそう何個も出てこないし、最大の問題はスゴロクの偶然性にありました。
スゴロクというゲームはサイコロ振って偶然そのマスに止まり、サイコロを振るまでどうなるか分からないドキドキ感が楽しいゲームです。
しかし、物語というのはある種の必然性が求められるのでどうしてもご都合主義になってしまうのです。
ここがどう頑張っても解決できなくて1度このルールは捨てました。

 

これと同時にオリジナリティをどう出すか考えてました。
4人で「ボードゲーム」と何かもうひとつの要素をかけ算する必要があると話し合い、出てきたのが「タイムスリップ」でした。

 

これらを受けて、僕が5つほどこのルールに沿った話をプロット形式で提出し、どれが1番面白いか話し合って決めた結果、「ボードゲーム×タイムスリップ」という現在の形が出来上がりました。

 

その後、脚本を書く流れで舞台がおもちゃ屋に変更され、「SFおもちゃコメディ」として初稿が完成しました。
これがまた今読んでみるとまあ暗い暗い!
この時のあらすじは、
響介(主人公)は30歳で、清司(親父)は亡くなって店を継いでる。
けど本当はミュージシャンやりたくてしがみついてる。
過去に行って同い年の清司に会ったり、チャールズ(後輩)にインディーズバンド誘われたりして葛藤があり、最終的には音楽に区切りをつけて親父の遺志を継いで店長になる。
といったものでした。
初稿から残ってるギャグもたくさんあるのですが、多分このままいってたら相当暗かったですね。

 

初稿を3人に見せた直後ぐらいに、偶然30代で今舞台俳優やっている方と飲む機会がありました。
その先輩の話を聞いていると、30歳で夢に区切りをつける話なんて見せられないし、今の自分たちが作るべき話じゃないなと痛感しました。
じゃあ23歳の自分たちが作れる話はどんなものだって考えた時、やっぱり最後は夢を信じて勢いよく飛び出す話だろという結論になりました。
若さ故の無鉄砲さというか勢いのある作品、今しか作れないものを作りたかったという気持ちにたどり着きました。

 

こうして響介は無事21歳となり、ほぼ現在のストーリーである2稿が完成しました。
このあたりで演者・スタッフにも見せた気がします。
その後、サブキャラクターのプロットを固めて3稿が完成。
クライマックスを修正した4稿を経て無事完成しました。

 

大体この一連の流れで半年くらいかかってます。

その間にも色々な作品を観ていて、その度に影響を受けて……

さすがに変えすぎだろ!って怒られまくってました。

改めていると、好きなものの影響受けまくってるなあって感じです。
全編通して「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(タイムスリップの理論はほぼほぼBTTFですね)
OPの歌うやつは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」。

ミレニアムファルコンは「スターウォーズ」だし、ロビン・ウィリアムズが出てたやつは「ジュマンジ」(1995年)。
電話のシーンは「或る夜の出来事」が基です。(ヒッチハイクのシーンね)
看板隠すところもチャップリンドリフターズみたいなことがやりたかった。

 

あと、登場人物の名前は有名なボードゲーム作家から取ってます。

登井場はクラウス・トイバー(カタン作った人)、チャールズ太郎はチャールズ・B・ダロウ(モノポリー作った人)みたいに。

楠田蘭は、アレックス・ランドルフ(ガイスター作った人)をもじってます。

決して「名探偵コナン」が好きだから、ヒロインを蘭って名前にしたわけではありませんよ、ええ。

 

……「緋色の弾丸」、楽しみです。